キタモノさん「お前、休日ロードでうろちょろしてるんだってな」
僕「家にいてもゲームか読書か映画鑑賞か気になってるレシピを試すかしかないのでね」
キタモノさん「では、今度どこか行ったらそれをブログにしてね」
僕「おいおいなんで俺が書かねばならんのだ……」
六月初め、こんなやり取りがあった。
出社早々気の滅入る話だ。
キタモノさん曰く、わいの知人は史跡巡りが趣味でそれを題材にしたブログが人気あるんやでー。
だから、僕にも書けと言う。無茶を言う。
そもそも、おっさんが自転車でそこらをうろちょろ徘徊した事を自己申告するブログに魅力があるか、はなはだ疑わしい。
だというのに気付いたらその日の朝礼で、
「よーし、おじちゃんに任せときな」
とか言ってる僕がいた。
言ってしまった以上は書くしかあるまい。
そんなわけで個人的なスタッフライドブログ、はじまります。
先に断わっておくと、僕はいつもブログをアップしている男ではありません。
彼の様に王滝村で暴れる脚力はなく、一緒に行った暗がり峠で置いてきぼりを食らった、ただの雨男です。
6月6日、三重県と奈良県の県境に位置する高見山に行ってきました。
この山の登山口は三重県内でロードバイクで行ける最高地点の一つ何だとか。
なんてマゾい。
そう思いつつもルートを確認します。
僕の自宅は伊勢市、猿田彦神社のすぐ近く。目的地まで約80km、行って帰ったらまるでセンチュリーライドではありませんか。
準備は念入りに、補給食に梅丹のサイクルチャージをジャージに忍ばせておきましょう。
期待と慄きで体を震わせながら、ひとまず飯高町へ向けて自転車を走らせます。
もし、初めて高見山へ行くなら少し気を付けてほしいのですが、高見山の近くには自販機はあるのですがコンビニはありません。
飯高の道の駅か、その数キロ手前にあるファミリーマートでしっかりと補給をしておくといいでしょう。
道の駅にはタイヤキ屋のわらしべさんがあります。タイヤキ補給する気満々の僕であったが、道の駅は朝十時からなのであった。わらしべさんも同じく。道の駅到着予定時刻は九時半頃。……コンビニでブラックサンダー買いました。ブラックサンダー超美味いです。
道の駅を通り過ぎ、ペダルを漕いで行くと心なしか交通量が減っていきます。反面自然は多くなっていく。
路面は走り易く車は少ない、景色は綺麗。最高やないか。
緑に包まれた山間で食べるブラックサンダーは美味かったです。ちょっと溶けていたけどね。
心躍る、弾む心。
そんな純心を蝕むような山のだらだら坂。そしてその先待ち受けるループ橋に心をへし折られそうになりました。
このループ橋やいくつかのヘアピンカーブで高度を稼いでいるのか、少々斜度も上がっている様子。頑張って上れるとこまで登ってみます。
心が折れなかったのが不思議だぜ。なんとか登れました。
あ、なんか写真左上に不穏な影が。幽霊出るトンネルンも多いそうですから怖いですねぇ。
上の写真は高見トンネルの入り口。このトンネル全長2470mあるそうです。当たり前ですが長いトンネルですので入る前にキチンとライトをつけましょう。
トンネルの中は外と違いとっても涼しい、むしろ寒い。ウィンドブレーカーも着れば良かった。
暑い日に凍えながらトンネルを抜けた先は奈良県。自転車で県を跨ぐのはやっぱり新鮮です。
さて、トンネルを抜けてすぐ、国道とは別に左へ進める道があります。
この道が旧道らしい。ここを進んだ先に高見峠の登山口があり、そこが最高到達点。
せっかくここまで来たのだから行ってみましょう。
なんか地面も○がいっぱいある、個人的にあかんやつですが頑張ってみます。
うっそうと茂った木々と静かな空気が漂っています。誰かとすれ違うことも、車が通る事もありません。道は少し荒れているので、大きな石を避けていつもより慎重に走ります。
斜度も緩やかなのでマイペースに走れば問題なく登山口まで行けました。
登山口は駐車スペースがあり、登山客の物と思われる車が何台か停まっていました。
本居宣長さんの歌が刻まれた岩がありました。
登山口の看板には東吉野村観光協会とありました。
あれ、ここ三重県ちゃうんですか。そんなー。